約40年前に世に出た、組織論の古典にして名著。 偶然ながら、自分自身が社会人として世に出たタイミングと全く同時に登場した本であり、自分の仕事がたまたま経営や組織に関わるものだったことから、その当時から本書の価値と重要性は重々承知して来たつもりだが、実際に初めて読んだのは、それから約40年を経た現在となってしまった。 一読して思ったのは、こりゃぁ難解だ。経営や組織を生業にして来た自分ですら、一読しただけで腹に落ちたとは言い難い。 その理由の一つとしては、これは著者(たち)が企図したわけでは決して無かろうが、「戦争」での敗戦を通じて「日本軍」組織の問題を論じる本書を本当に正しく理解し咀嚼するためには、実は、「戦争」や「日本軍」を実体験として経験、理解、検討した者であることが不可欠なのではないか、と思われたことがある。要は、戦争を知らぬ年代・世代の我々には、著者らの研究の対象そのものが「未知」な