僕が’94年にLOUDを創刊したのは、まず第一に「大好きなUKのプログレッシブ・ハウスやクラブ・シーンを広めること」が目的だった。当時、日本のクラブ・シーンは、クボケンが僕をレジデントDJにしてやってくれていたCLUB VENUSや、わずかなテクノ系のパーティーを除いては、まだまだNY寄りだったし、UKやヨーロッパのダンス・ミュージックは邪道扱いだったから、自分で媒体をつくって宣伝しなければ道が開けなかったのだ。僕は、この業界にそもそもクリエイターとして入っているから、それは切実な問題だった。 幸いにして、テクノ・ブームの訪れや、「クラブ・ミュージックの中心地はUK」というコンセンサスが’90年代を通じて世界的に出来上がったので、僕の無謀な試み(月刊誌のような紙媒体を作るには、最初に何百万〜何千万もの赤字を覚悟しなくてはならないのです)は失敗せずに済み、日本におけるクラブ・シーンもUK/ヨ