名乗った名前は「露（つゆ）」。 宮沢賢治に関心のあるかたならピンとくるかもしれません。 おそらく彼女は高瀬露（たかせ・つゆ）という当時実在した人物がモデルでしょう。 超々ざっくり言ってしまうと、宮沢賢治に関する既存の伝記やフィクション作品において「宮沢賢治のもとへ押しかけ女房的に迫って結婚を望むも拒まれ、逆ギレして賢治への誹謗中傷をばらまいた」という悪女のようなイメージ（ここ注意ね）で語られやすいのが、この露というひとです。 ■ 高瀬露。1902年生まれ、1970年没。 （『月光条例』登場時は史実だと25歳前後か） 小学校の先生で、クリスチャンでもあった女性。 宮沢賢治が1926年に設立した私塾「羅須地人協会」に同年秋から参加しています。「センセイに教えを受けております」というのはそのことですね。 しばらく露と賢治はわりあい親しく交流していたようで、賢治は贈り物としてお布団を彼女に渡したり
