前のコラムからの繰り返しになるが、ビッグデータという考え方や技術はそれほど新しいものではない。ただ、以前は扱う大量データの中身が、株や債権の取引情報、気候や天体の観測データなどといった「無機的」なものが中心であった。 それに対して、ここ数年は、ネットでのユーザー生成コンテンツやソーシャル情報といった、人に関する「有機的」なデータが大量にクラウドに蓄積されて活用されるようになり、技術的にはより不定形なデータが扱えるように変化してきている。 データでプライバシー問題を引き起こすのはネットに限らない。この1月、「ターゲット事件」がアメリカのネット界隈で有名になった。ターゲットとは、米国の大手総合スーパーで、衣料・雑貨から食料品まで種々の品目を扱っている。日本で言えばイトーヨーカドーやイオンのような存在だ。 ターゲットでは、クレジットカードで買い物をしたユーザーの購買情報を解析し、購買行動に合った