以前、私がロックを聴き始めたきっかけが「5歳年上のお姉さんに好かれたいという下心から始まった」という話を吐露してみた。実を言えば、そのお姉さんには同学年の彼氏もいたのだが、私はそのお兄さんのことも慕っていたのだ。そういう年上の世代全体に憧れて、背伸びしてみたいという年頃だったんだな。そもそも私は小学生の時から、とにかく大人への憧れが強かった。同学年が夢中になっていたアニメやガキ向け番組を「しょんべん臭い」とバカにしていたので、『宇宙戦艦ヤマト』も『機動戦士ガンダム』も見なかったから、今でも同学年と懐かしテレビの話をしてもかみ合わないことが多い。ガキのクセにお袋といっしょに坂口良子の『グッバイママ』とか八千草薫の『岸辺のアルバム』とか、渋いドラマばかり見ていた気がする。小学二年生の時には、当時出ていた学年誌の『小学二年生』を親が取ってやると言われて「ガキっぽくてヤダ!」とどうしてもとごねて、