全国の高速道路網で昨年導入された安全で快適な運転を支援する「ITS(高度道路交通システム)スポット」のサービスに世界が注目している。車に搭載した対応カーナビに高速・大容量の通信で交通情報や画像などをリアルタイムに送ることができ、渋滞の解消や効率的な運転により環境にも貢献する最先端の技術。来年に東京で開かれる「ITS世界会議」を前に、海外から専門家の視察が相次いでいる。 日本のITSの研究は、1970年代にさかのぼる。80年に始まった車載ラジオに渋滞情報などを1620キロヘルツの周波数で伝える「路側ラジオ」のサービスが最初だ。96年には、さまざまなセンサーで集めた渋滞情報や交通規制などの道路交通情報を、カーナビなどの車載器に伝える「VICS」サービスが開始され普及してきた。 昨年8月に本格的にサービスが開始されたITSスポットは、全国の高速道路に約1600カ所に設置された。都市内の高速道路で