1914(大正3)年に開業した東京駅が10月、創建当時の姿に復元された。関東大震災、第二次世界大戦、戦後の復興、高度経済成長、国鉄からJRへ。日本と首都・東京の歴史を見続けた赤レンガ駅舎は、新たな歴史を刻もうとしている。 国内初の鉄道の開業は1872(明治5)年9月で、新橋―横浜間だった。この時に新橋、品川、川崎、鶴見、神奈川、横浜の各駅が設置された。 東京駅が開設される以前の鉄路の状況は、神奈川方面へは新橋駅が起点、埼玉など北方への起点は上野駅、東京西部へは飯田町駅、房総方面のターミナルは両国橋駅とそれぞれの鉄道事業者の事情で設置され、各駅を結ぶ鉄道はまだなかった。つまり日本列島の各地を結ぶネットワークが、東京都心部で切断されていた状況だった。 江戸時代の面影を残す東京市街を上野駅から新橋駅まで南北に縦貫する鉄道と中央停車場(東京駅)を設置することは、中央集権的な近代国家への変貌を国内外