欧州宇宙機関(ESA)は6月20日(現地時間)、宇宙に望遠鏡を打ち上げて重力波の検出を目指す、宇宙重力波望遠鏡「LISA」(リサ)を、正式にミッションとして承認したと発表した。これから開発を行い、17年後の2034年の打ち上げを目指す。おととし、重力波が初めて検出されたことで幕を開けた「重力波天文学」はいま、新たな段階へ進もうとしている。 重力波とレーザー干渉計 質量をもつ物体の周囲は時間と空間(時空)がゆがんでおり、物体が特定の運動をすることで、そのゆがみが光速で伝播していく。この時空のゆがみの伝播のことを重力波と呼び、別名「時空のさざ波」とも呼ばれる。 重力波の存在は、1916年に物理学者アルベルト・アインシュタインが予言していたが、その後、多くの科学者が発見に挑むも、100年もの間、直接捉えることはできなかった。しかし2016年2月11日、米国のカリフォルニア工科大学とマサチューセッ