米国の医薬食品局(FDA) や日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、医薬品や医療機器の承認審査業務などを行う行政機関であり、「規制当局」とも呼ばれてきた。医薬品にしても、医療機器にしても、安全性を最優先する必要があるのだから、「害を及ぼすもの、危ないもの、役に立たないものを取り締まる」のは当然だ。しかし、新しい技術・知識の発展によって、革新的な医療技術・医薬品・医療機器が生み出され、それらを速やかに評価し、かつ、安全に患者のもとに届ける支援をすることが求められるようになってきた。 今日の「Science Translational Medicine」という雑誌に米国FDAに所属する二人の研究者が、「FDA as a catalyst for translation」(意訳になるが、「FDAは新しい発見を患者に届ける触媒となる」といったところか?)のタイトルで、米国FDAの役割や今後の