米国の若い世代が、電子タバコの喫煙によると思われる重篤な呼吸器障害で続々と入院している。日本でも加熱式タバコのアイコス(IQOS)を吸って重い肺炎になるケースが報告され、これら新型タバコによる健康への害が次第に明らかになってきた。 電子タバコによる健康被害か 世界保健機関(WHO)は最新のタバコ対策報告書で加熱式タバコや電子タバコについて、従来の紙巻きタバコと同じ規制をするべきと注意を喚起した。これら新型タバコに関する科学的な研究の多くがタバコ産業側から出てきていることもあり、利益相反の観点からそのエビデンスに疑問が残ると指摘。2009年12月から2017年11月6日までに出版された研究31を調べた論文によれば、そのうち20にタバコ産業の関与があったことがわかっている(※1)。 電子タバコの流行は多くの国々で深刻な社会問題になっている。米国では下院議会や食品医薬品局(FDA)、米国疾病予防