誰もがわかりきっているはずなのだ。朝鮮学校の生徒たちと拉致問題とはこれっぽっちの関係もなく、ということは高校無償化の対象とすべきか否かうんぬんの設問など、初めから成立する道理がないのである。 にもかかわらず、中井洽・国家公安委員長は「朝鮮学校を適用除外に」と言い出し、鳩山由紀夫首相がこれに同調した。尻馬に乗って「北朝鮮は暴力団と同じ不法な団体で、(学校との)関連性を認定しなければならない。府のお金が欲しいなら、府民が納得する振る舞いを」と述べたのは橋下徹・大阪府知事。 なぜか? あからさまな差別意識は否定のしようもない。深刻化の一途をたどり続ける閉塞状況にあっては、朝鮮学校の排除がむしろ有権者の多数派に歓迎され、政権への支持を高める効果をもたらすだろうとの計算さえ働いているように思われる。 人間をあまり舐めるなと言いたいが、彼らの思惑は現実に、愚劣な合理性≠ノ貫かれてしまってもいる点が問題