幽霊の脳科学 (ハヤカワ新書) 作者:古谷 博和早川書房Amazon睡眠中に枕元に立っている幽霊やろくろっ首、金縛りなど「定番」の幽霊譚・怪異譚というのは数多い。現代科学的な観点でいえばそうした幽霊が「実在」していないのは明らかだが、かといって何人もが体験談を披露するような定番のエピソードが存在する場合、それらを脳内に生み出す「何か」は存在するのではないか。それを解き明かしていくのが、脳神経内科医の古谷博和による『幽霊の脳科学』だ。 統合失調症など明確に幻覚をみる病気がある以上、そりゃ幽霊譚の中には脳科学で説明できるものもあるだろうけど、そんな本一冊になるほど説得力のある論が展開できるもんかなあ。こじつけめいた話なるのではないか……と若干疑りながら読み始めたのだが、豊富な臨床経験からくる実例の数々に加え、幽霊譚と脳科学の結びつけはどれも説得力があるもので、こーれはおもしろい! と太鼓判をお
