前回(「“愛着”こそ最強の絆~アマダナ人気の秘密)は、高級家電の設計を手がけるリアル・フリート社長の熊本浩志氏にデザイン家電の考え方に関するお話を伺いました。単なるオシャレ風なコスメティックデザインではなく、対象とするユーザーの生い立ちまで考慮して記憶をくすぐるような設計をする。単なる省力や利便の機能を提供する手段としての道具ではなくて、その道具そのものに愛着を感じてもらうことが、モノづくりに携わる者としての喜びであるというお話を致しました。引き続き、熊本さんに話を伺いながら、今回はビジネスのあり方という側面から同社の志を分析してみたいと思います。 同社は5年ほど前に創業したファブレスの企業です。商品企画は自社で行い、量産は大手の電機メーカーのラインを利用しています。当然、設計開発のプロセスでは製造側の技術者と何度もやり取りをしながら製品設計を進めていきます。ここまではよくある話ですが、問