25年前、筆者が子供たちを連れてプールに行ったとき。プールサイドを走り回っていた次男の姿が消えた。プールから上がりかけていた筆者の一瞬の隙――だった。 25 年前、筆者がサウジアラビアに駐在していたとき、長男と次男を連れてゲストハウスのプールに行った。長男は小学校1年生で、次男はまだ4歳のころである。筆者は長男に泳ぎ方を教えていた。前日は、同じプールで初めて次男にも水泳のてほどきをした。次男の手を持ち、足をバタバタさせて泳ぎの真似ごとをさせたのだ。その日、泳ぎを教えた長男は自由に遊んでいて、次男はプールサイドを走り回っていた。 フッと後ろを振り返った 1時間ほど泳いだ後、筆者は長男が浮き輪で遊んでいるのを確認してプールから出た。サウジアラビアの太陽は強烈。気温はゆうに40度を超える上、砂漠の国であるから極度に乾燥していて、プールでお互いに水をかけあうと、水が空中を飛ぶ間に蒸発する。プールか