関連トピックスオリンピック 2008年の北京五輪を前に「要人権、不要奥運(五輪より人権を)」と訴え、国家政権転覆扇動罪で有罪判決を受けた中国黒竜江省チャムスの楊春林氏(56)が6日、5年の刑期を満了して出所した。 楊氏は7日、朝日新聞の電話取材に「民主主義を求める私の信念は固い」と話した。ただ、「心臓病を患う妻に、さらなる心労をかけたくない。私も疲労がたまっている。しばらく休みたい」とも語った。 元工場労働者の楊氏は独自に学んだ法律の知識で、開発のため十分な補償のないまま耕地を奪われた農民らを支援。07年春、五輪の開催より人権の保護が先決と訴え、ネット上で1万人を超える署名を集めた。 同年7月、自宅から公安当局に連行され、逮捕。08年3月に有罪判決を言い渡され、海外の人権団体などから「五輪の囚人」と呼ばれた。(北京=坂尻信義)