エントリーの編集
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
吉田修一「平成猿蟹合戦図」書評 胸のすくような現代版仇討ち話|好書好日
記事へのコメント0件
- 注目コメント
- 新着コメント
このエントリーにコメントしてみましょう。
注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
- バナー広告なし
- ミュート機能あり
- ダークモード搭載
関連記事
吉田修一「平成猿蟹合戦図」書評 胸のすくような現代版仇討ち話|好書好日
平成猿蟹合戦図 [著]吉田修一 昔話の「猿蟹(かに)合戦」は、猿に欺(だま)され、殺されてしまう蟹の... 平成猿蟹合戦図 [著]吉田修一 昔話の「猿蟹(かに)合戦」は、猿に欺(だま)され、殺されてしまう蟹の敵を、子蟹たちが討つというものだ。悪い者には、いつかその報いが訪れる。以前、『悪人』で「悪」の意味を問い直した吉田修一だが、本書では弱者の目線に立った、胸のすくような現代版仇討(あだう)ち物語を紡ぎ出している。 舞台は長崎の五島列島から東京の新宿・歌舞伎町、そして秋田へ。個性的な登場人物たちの群像が生き生きと動き出し、大きな人間関係の輪を形作っていく。ただし、誰が「猿」で誰が「蟹」なのかは、なかなかわからない。昔話では栗や蜂や臼が蟹の助っ人としてやってくるのだが、そうした構図が見えてくるのは、終盤にさしかかってからだ。 この小説では、視点を提供する人物が場面ごとに入れ替わる。現在形が多用されることで臨場感が増し、内的独白によって登場人物への感情移入がしやすくなっている。五島列島や秋田の方言も