数だけは多い日本の世界遺産 日本は2024年7月のユネスコ世界委員会を経て、世界遺産の登録件数が26件で、世界11位。ユネスコの加盟国は195カ国なので、保有数上位1割に入っている、「世界遺産大国」の一つである。 清水寺や姫路城など著名な観光地が登録されているので、「世界遺産は有名観光地が登録される」とか「世界遺産になれば観光客が間違いなく増える」と思っている人が少なくない。実際、今も日本各地で世界遺産登録運動が起きているが、その目的には観光振興が透けて見える。 2024年7月に新たに登録された「佐渡島の金山」に続けと、その手前の段階で世界遺産を目指す国内の地域や遺産候補は数知れない。信州の名城「松本城」、八十八カ所のお寺を白装束と菅笠で巡る「四国遍路」、瀬戸内の激しい潮流「鳴門の渦潮」(徳島県)などのよく知られた場所だけでなく、富山県の「立山砂防施設群」のように地味でアクセスに難がある候