試合後のカンプノウにアトレティコを讃える盛大な拍手がこだましていた。 手を叩いていたのはアトレティコファンではない。それはスタンドを埋めた9万人を越える、地元のバルサファンだった。 プライドの高いバルセロニスタが、アトレティコの優勝を素直に認め、新たなリーガ王者を讃えていたのである。 ピッチの隅でTVインタビューに答えるイニエスタは淡々と語った。 「アトレティコこそが正しい王者だ。彼らを祝福しなければ」 ピッチの上ではメッシを除く全選手がアトレティコの選手をねぎらっていた。ほとんどの選手の口から、アトレティコの優勝を素直に讃える言葉がでてくる。普段はどんなことがあってもバルサ一筋の地元紙スポルトですら、「アトレティコが正しい王者」と報じた。 ファン、選手、メディアの反応は、アトレティコが優勝に値していたことを示していた。 多くの障壁を乗り越えての優勝だった。 指揮官のシメオネは「レアル・マ