土用の丑(うし)の日が近づき、ウナギのかば焼きが恋しい季節です。が、近年、養殖用の稚魚、シラスウナギは記録的な不漁で、半世紀前の約10分の1にまで減少。取りすぎによる資源枯渇が心配されています。そもそもニホンウナギは絶滅危惧種。おいしく食べ続けるために、私たち消費者にできることは? ■取れた稚魚、たった3匹 「この冬は不漁すぎて、シラスウナギをヤミに流す人もいなかった」 鹿児島県のある漁協組合長はそう語りました。 昨年から今年にかけての漁期で、全国の漁獲は8.9トン。ウナギ養殖量日本一の同県は前年比67%減の192キロ。最も取れるはずの解禁日、組合長の漁獲は3匹でした。例年、県の許可に基づく正規ルートの倍以上で買う業者に流す人もいますが、「ヤミに流せるのが数匹なら差益も数百円。違反する危険に見合わなかったのでは」。 当然、消費者価格も上がります。 江戸期創業の老舗うなぎ店「大江戸」(東京都