書き上げた連続ドラマは数十本以上。脚本家・大石静が描く物語は多くの人々の琴線に触れた。大河ドラマ「光る君へ」を書き終えた大石静にロングインタビューを決行。脚本家とは、その信念とは、そして、人生観について話を聞いた。 「大石静さんに話を聞きたい」 企画を立てたのは2023年夏のことだ。とはいえ、大河ドラマ「光る君へ」を執筆中、多忙を極めた脚本家のスケジュール調整は難航。それでもいま、日本で多くのドラマを紡ぎ出している脚本家に会いたいという想いが消えることはなかった。時は過ぎ、24年11月某日。念願叶って、彼女にインタビューを受けてもらう機会ができたのだ。大作を書き終えて、どこかすっきりとした面持ち。インタビューをした数時間は、まるで一本のスペシャルドラマを鑑賞しているような気分だった。 登場人物たちを立体的に魅せていく。 「脚本家は裏方のひとりだと思っています。台本は台の本、脚本は脚の本。土