眠りと夢 外敵に襲われる危険があるのに、眠りのような危なっかしい行動がなぜ進化したのか不思議だ。最近の研究を見ると、覚醒時脳を使い続けると、脳の働きを抑制する電解質などの老廃物が溜まるため、これを脳から排出することが、外敵に襲われる危険より優先するようだ。 眠りが必要なもう一つの理由は、新しく仕入れた記憶の中から重要なものを選び出し、長期間続く記憶として固定することだ。事実、眠りを経て神経同士のシナプス結合が大きく変化することが続々明らかになっている。この記憶の固定に、夢を見ることが貢献していることもわかってきている。 夢とREM睡眠 夢が必要だとして、では眠っているとき、何が私たちを夢に導くのだろう?この謎に迫るためには、実験対象が夢を見ているかどうか正確に知る必要があるが、これが難しい。脳の活動が把握できても、本人が眠ったままで、「夢を見ているのか、見ていないのか?」聞くわけにはい