数学基礎論においてω無矛盾(オメガむむじゅん、英: ω-consistent)とは、公理系の性質を表す概念のひとつである。不完全性定理を示すためにクルト・ゲーデルによって導入された。ω無矛盾性は、通常の無矛盾性よりも強い性質である[1]。 20世紀初頭にはヒルベルト・プログラムの下、数学の完全性と無矛盾性を示そうとする試みがなされていたが、1931年にゲーデルの発表した不完全性定理は、ある意味でそのふたつが両立することは不可能であるというものであった。ゲーデルは1931年の時点では「公理系が無矛盾ならば不完全であること」を示そうとしたが果たせず、それよりも弱い主張である「公理系がω無矛盾ならば不完全であること」を示した。さらに1936年アメリカの論理学者ジョン・バークリー・ロッサーによって、ゲーデルの当初の目的である「無矛盾ならば不完全」が示された。今日では、ゲーデルによるω無矛盾性を用い