北欧では、年配の権力者が若い世代やマイノリティに属する人々に、早々と自らの席や権力を譲るという光景を目にすることがある。政界や産業界ではよく見かける風景だ。 しかし、同じデンマーク領であるグリーンランドにおいては、話がまったく異なる。 歴史的な不平等が今も形成する権力構造デンマークとグリーンランドの関係は、18世紀から続く植民地主義の名残によって今もなお複雑なままだ。表面的には対等な関係のように見えるが、実際にはデンマークの影響力が強く、権力のバランスは依然として不均等だ。この影響は、経済や政治の枠を超え、グリーンランドの人々の日常生活にも深く及んでいる。 デンマーク領グリーンランドで進行中の植民地主義先住民イヌイットの生き方に反するデンマーク社会構造 「人権に無知であることの結果」多様性をテーマにした北欧の「ダイバーシファイ・サミット」では、グリーンランド人権協議会の議長であるQivio