いよいよ2011年も残すところあと2週間を切り、テレビは年末恒例の一年を回顧する番組をやっているが、今年は正直言ってこの手の番組をあまり見たくない。今年の重大ニュースといえばなんといっても東日本大震災と東電原発事故であって、何もこの時期に特別に回顧しなくても一年中、いや3月11日以来ずっとこのことばかり考え続けていた。 最初は「念のための措置です」、「直ちに影響はありません」という言葉が、政府高官だけではなくテレビ、特にNHKから集中的に放射されていたが、原発事故はいっこうに収束しなかった。5月に菅前首相による中部電力浜岡原発の停止要請があり、「脱原発デモ」が大きく盛り上がり、マスメディアの世論調査でも時を経るにつれ「脱原発派」が増えていることが示された。 しかし、その動きと正反対だったのが政治の動きだった。民主党と自民党の政治家がもっとも強くエネルギー政策転換の必要性を語ったのは東電原発