9月30日に投開票された沖縄県知事選は、辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」が推す前衆院議員の玉城デニー氏(58)が過去最多の39万票余を獲得し、安倍政権が全面支援した前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)に約8万票差をつけて大勝した。 自民や公明の「鉄壁」ともいえる組織票の一部を突き崩し、無党派層の多くを取り込んだ玉城氏の勝利の背景には何があったのか。 「オール沖縄」が推す候補は2018年2月の名護市長選に敗れるなど、沖縄県内の選挙では、このところ不利な情勢にあった。そうした流れを変えたのは、翁長雄志知事の急逝と、「後継」となった玉城氏の知名度や人柄による面が大きいのは否めない。 しかし、もう一つ、忘れてはならない潮流がある。 今回の知事選で浮かんだ民意の地殻変動の「予兆」ともいえる現象が、知事選の数カ月前に起きている。5月23日~7月23日にかけて実施された、辺野古埋め立ての賛否を問う「