完成してこそ「完成」 表14-1に紹介した推奨統合手順を採用すると、プロジェクトの管理上重要なメリットが得られる。この手順に従えば、コードが「完成」したと公表した場合、実際に紛れもなく完成したことが保証されるのである。たとえば、「90%のモジュールが完成した」という進捗報告を読んだ場合、全モジュールのうちの90%は間違いなく完成しており、この90%については追加の作業が必要になったりしないという確信を持つことができる。 コードの一部を未完成にしたまま次へ進む作業方法に慣れている開発者は、本書で紹介するアプローチを採用するときには、それまでの作業スタイルを変えなければならない。このような開発者は、プログラムの一部のコーディング中に、その部分が他の部分の機能に依存しているため単独では使用できないことに気付くと、依存している機能について仮のコードを作成しておいて、現在開発中の部分のコーディングを