判決後、女性から記者に一通の手紙が届いた。「『どうせ自分は駄目だ。お金もないし』とやけくそになってしまう」。万引きをするときの心境をそうつづった。また繰り返してしまうのではないかという不安がつきまとう。 拘置所では、精神安定剤を服用しているという。「どうにもならない自分に腹が立ち、苦しくて、ただ泣けてきます」。 【久保田一道】万引きを繰り返す人がいる。「心の病」という見方もある。再犯は防げないのか。常習累犯窃盗の罪に問われた女性(39)は7月、5回目の有罪判決を名古屋地裁で受けた。動機について「スイッチが入って……」と語り、涙をぬぐった。その言葉が胸にひっかかり、名古屋拘置所に会いに行った。 ■「どうせなら、もっとダメに」 茶色の髪を一つに束ねた女性はほおがこけ、鎖骨が浮き出ていた。伏し目がちに一礼し、拘置所の面会室の椅子に腰掛けた。 高校生のころ、両親の不仲に悩み始めた。ストレス