●棚上げされた、先願主義への転換 「先発明主義」が、「先願主義」に変わらない! 米特許法の大改定が迷走している。米国では2005年、米国独特の特許システムである先発明主義を、“世界標準”の先願主義に転換する特許法改定法案が出されていた。しかし、これが暗礁に乗り上げている。このままいくと、先願主義への転換は立ち消えで終わる可能性もある。 米国はそんなに先発明主義にこだわっているのか。そうではない。米国にとってそれよりもっと重大な改定ポイントが紛糾しているから、法案が座礁しているのだ。そのために、先願か先発明かという、米国にとって“枝葉”の問題は棚上げされてしまったのだ。 その、もっと重大なポイントとは、「パテントトロール」問題だ。 パテントトロールは、特許の権利を“濫用”して、ハイテク(IT)大企業からの特許侵害の和解金や賠償金をねらう中小企業のこと。特許所持者の権利が強いので、ハイテク大企