野生猿の餌付けで知られる大分市の国立公園「高崎山自然動物園」で、最大勢力を誇るC群の次期リーダーと目されていた27歳のナベが今秋、別の群れに移った。 どうやら、この群れのメスに恋をしたらしい。次期トップの座を投げ出し、恋に生きるナベ。飼育員は「もったいないと思うのは人間だけ。ナベは今が一番幸せかも」と温かく見守っている。 高崎山には二つのグループがあり、ナベは836匹いるC群のナンバー3だった。リーダーで28歳のゾロは足が悪く、老いが目立つ。ナンバー2のベンツは31歳を数え、人間に換算するともうすぐ100歳。元気なナベはいずれリーダー就任間違いなし、とみられていた。 猿の恋の季節は毎年11月頃に始まり、翌年3月頃に終わる。高崎山案内係の但馬孝光さん(54)によると、ナベは昨年11月頃、なぜかB群(491匹)に潜り込み、この群れのメスたちに盛んにアプローチするようになった。特定の相手は