【前編】はこちらをご覧ください。 国の調査の責任者を直撃 韓国での白血病の発症率は、10万人あたり1人~2人となっている。サムスン電子の工場で従業員が白血病になったケースを疫学調査したところ、この数値を上回らなかったとされた。しかし前述の通り、調査結果の根拠となった具体的な内容は明らかになっていない。 では実際に、どのような調査が行われたのか。私はそれを指揮した人物に接触することができた。 その人物は当時、産業安全保健研究院の幹部だった。前述したように、産業安全保健研究院は、疫学調査を行った政府の機関である。 8月28日の夜、ソウル駅近くの宮廷料理屋に現れた元幹部は、さほど緊張した様子を見せず、名刺交換に応じてくれた。 席に着くと、まず裁判の結果について、「我々は科学的、客観的に調査を行いました。裁判所の判断は、裁判所の判断として尊重されるべきでしょう」と語った。そこには、抗弁するかのよう