慶應義塾大学を拠点として、米IBMの量子コンピュータの実用化を見据えた産学連携の研究が進んでいる。慶應大はこのほど、慶應義塾大学量子コンピューティングセンターの最新の研究成果を発表した。金融や化学、暗号、AIなどの分野でノイズのある量子コンピュータを活用する手法を考案した。 「今の量子コンピュータは幼稚園で運動会をやっている段階」 慶應大とIBMが2018年に慶應義塾大学量子コンピューティングセンター内に設立した「IBM Q Network Hub」は、IBMのワトソン研究所が保有する量子コンピュータ「IBM Q」を活用する研究拠点の一つだ。 IBM Q Network Hubの意義について、慶應大の伊藤公平教授(量子コンピューティングセンターファウンダー)は「量子コンピュータの実機を使う研究は、IBM Q誕生以前はなかった」として、IBMが開発する量子コンピュータの実機を使った研究ができ