◎前回までのあらすじ ふんどし(T字帯)も手に入れ準備万端となった俺。6月18日午後、俺はついにシートン法に挑む。 ———————————————————- 俺の肛門人生を決するといっても過言ではない勝負の午後がやってくる。 めり込んだパチンコ玉に気づいたのは6月初旬。まだ10日程しかたっていない間に、俺はどれだけの文献を調べ、どれだけのことを考え、どれだけの肛門鏡を直腸にくわえこんだのだろう。 「思えば遠くに来たものだ」 梅雨の湿った空気に向かって、感慨深くつぶやく。 看護婦さんがノックをして、部屋に入ってきた。 とうとう順番が来たらしい。 俺は看護婦さんにゆっくりと会釈をし、廊下へと歩を進める。 すでに俺はポンチョのような手術服に着替えを済まし、T字帯もばっつり決めていた。 手術室の前に着く。 生まれて27年、俺は手術を始めてすることになる。 12歳の時に急性腎炎となり一ヶ月入院し、俺