政府の行政刷新会議の事業仕分け作業で漢方薬が健康保険の適用から外されたと聞き、わが耳を疑った。今や、臨床医の8割近くが漢方薬を処方しており、もはや普通の薬となっている。にもかかわらず、漢方薬だけを取り出して除外するというのは、いったいなにを根拠にした発想なのだろうか? 漢方薬は生薬、すなわち天然素材をベースにしていて、西洋医学の薬とは氏素性が違うことは事実である。しかし、漢方薬にはいくつかの誤解がある。「副作用がない」「即効性がない」などというのは間違った情報である。 現に私の父は末期の肝臓がんであったが、漢方抗がん剤を処方されたことにより、劇的に回復し、がんを完治させることに成功した。そういう意味からしても、病院で処方される漢方薬は普通の医薬品であって、他の薬と区別することに意味はない。