在留資格のない子どもたちの高等教育への進学について考えるシンポジウムが11月、東京・四谷の上智大で開かれた。最後に、登壇者の一人が突然手を挙げて語り始めた。 「肌の色は違うが、私もみんなと同じだと思って生きてきた。入管(出入国在留管理庁)で仮放免とされるまでは。自分の国に帰れと言われるが、私の帰る国はここ、日本。みんながこの問題から目を背けているから、人ごとと思う人が多いから、解決しない」 発言者は、スポーツ記者である私が4年前、「仮放免」について知るきっかけとなったミラクルさん(21)だ。日本で生まれ育ちながら、家族が強制送還されかねない事態に直面。自身は収容はされなかったものの、長い間、不安定な立場が続いた。 その後、在留特別許可(在特)を得て、現在は大学の看護学部で学ぶ傍ら、資格のない子どもたちのために活動する。改めて心境を聞いた。【聞き手・田原和宏】 当事者、専門家へのインタビュー