サバやイカの生食による食中毒の原因となる寄生虫のアニサキス。かつては漁村など漁獲地に近い地域に多い食中毒だったが、最近は都市部での患者も増えている。アニサキスによる食中毒は、冷凍や加熱など調理法の工夫のほか、よく噛(か)んで食べることでも予防が可能だ。刺し身は柔らかいためあまり噛まないで食べる人も多いが、しっかり噛んで食べるようにしよう。(平沢裕子)◇ ◆患者は年3千人? アニサキスは、鯨やイルカなど海洋哺乳類の胃の中で成虫になる寄生虫。幼虫がサバやスルメイカなどに寄生し、それを生で食べることで食中毒を起こす。幼虫は魚介類が生きているときは内臓に寄生しているが、水揚げされた後は筋肉(身の部分)に移動。刺し身などを生食したとき、よく噛まないと幼虫が生きたまま胃や腸まで行ってしまう。すると、幼虫は人の胃や腸の中で暴れ、歯で胃の粘膜を突き破ったりする。おなかが痛くなるの