【読売新聞】 【上海=田村美穂】中国四川省の汚職摘発機関は23日、世界的ベストセラーとなったSF小説「三体」の担当編集者で、SF雑誌社の姚海軍・副編集長(58)を「重大な規律違反と法律違反の疑い」で調査していると発表した。具体的な違
Published 2024/10/24 21:41 (JST) Updated 2024/10/24 21:59 (JST) 【北京共同】中国四川省の共産党規律検査委員会と監察委員会は23日、四川科幻世界雑誌社の姚海軍・副編集長を重大な規律・法律違反で調査していると発表した。世界的ベストセラーとなり日本でもヒットした中国のSF小説「三体」の雑誌連載で中心的役割を果たした中国SF界の大物。汚職に関与した疑いとみられる。 三体は人類と異星人の攻防を描いた名作。中国メディアによると、副編集長は2006年にSF雑誌「科幻世界」への連載開始を決定した。各国言語に翻訳され世界で2900万部が発行された。15年に世界の権威あるSF賞のヒューゴー賞長編部門を受賞し、中国と米国の動画配信サービスが実写ドラマ化した。 中国のSF産業は三体がブームの火付け役となって急成長し、関連企業の営業収入は23年に総額1
戦前、北区田端は「日本のモンマルトル」と呼ばれ、多くの作家や芸術家が住んでいた。それを取材し、独自の見解も挟んで作家、近藤富枝が書いた「田端文士村」にこんな一節がある。詩人として名が売れ出した頃の室生犀星が「芥川(龍之介)の家を見にいき、風雅な門構えと、三百坪以上はあろうかと思える敷地の広さに圧倒された思いでひき返した」。 室生犀星(むろう・さいせい) 1889年、金沢生まれ。本名・室生照道。加賀藩の足軽頭の非嫡出子で生家に近い寺院の養子となる。1902年、高等小学校中退。働きながら俳句、詩、短歌などに親しむ。詩人、萩原朔太郎と創刊した同人誌「感情」が文壇で評価され、その後、小説も執筆。菊池寛賞などを受賞。芥川賞選考委員などを歴任。代表作に「愛の詩集」「あにいもうと」「杏っ子」など。
詩学、批評の解剖、書くことについて、映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと、ライターズ・ジャーニー等々、「物語の作り方本」のエッセンスを濃縮した『物語のつむぎ方入門』 数学の公式集ってあるでしょ。よく使う関係式や定数や演算を、コンパクトにまとめたやつ。あれの物語版だと思ってほしい。 「なぜそうなのか」といった証明や由来は最小限にして、エッセンスしか載ってない。なので非常に薄い(なんと61頁!)。もし必要なら、自分で出典に当たってくれとばかりに参考文献だけは充実している。 この61頁に、「読者の興味をどうやって興味を惹くか」の基本的なセオリーがまとめられている。小説、マンガ、映画、演劇、どのジャンルにも共通して、物語を面白くするプロットの作り方がある。そして、そのプロットをどう転がせば、読み手や観客の魂を震わせ、深い感動をもたらすかが紹介されている。 いわば、物語作家の虎の巻なのだが
小学校1年生のときの教室。クラスメイトたちの当たり前を、自分だけがさっぱり理解できず、それを周囲には悟られないように平静を装いながら、内心はげしく動揺している。もしかしたら自分は気づかないうちに、どこかに存在する「並行世界」に迷い込んだのかもしれない。そう思うと、次第に怖くなってくる。 小説家・柴崎友香の『あらゆることは今起こる』は、そんな「小説の始まり」のようなエピソードから始まる。でも、これは「小説」ではない。2021年9月にADHD(「注意欠如多動症」)の診断を受けたという柴崎が書き下ろした、発達障害をめぐるエッセイだ。医学書院の「ケアをひらく」シリーズに収められているのだが、そのコンセプトにたがわず、ひじょうに平易な言葉遣いで、発達障害の特性を知ることができる。著者自身が発達障害についての考えを深める過程と並行して書かれていて、ADHDという言葉を耳にしたことはあっても、充分に考え
不条理とは他者や世界との関わりが条理や道理にあわないこと。文学ではカミュ、カフカ、安部公房などが代表格である。たとえばベケットの『ゴドーを待ちながら』は、ふたりの男が一本の木の下でゴドーという人物を待ち続けるだけの話。なぜ待つのか。約束はあるのか。ゴドーとは誰か。なにも説明はなく意味もわからない。ゴドーとは「神」の比喩ではあるが、解釈は読者の自由に任される。 本書も不条理文学である。3部構成で第1部はただ列に並んでいるだけの男の話。列にいつから並び何のためか、理由や意味は一切語られない。列は複数存在するようだが、先頭は見えず最後尾も不明。第2部は猿の生態を研究する非常勤大学講師の男が、猿と人間とを比較し知性、悪、道徳をとおして生のあり方を考える。 第3部では再び列の話に戻り、猿研究者としての生き方を考える話。列とは男の白昼夢か。全編をとおして人間の理性、共感、道徳性の能力を問う。人間には知
就職「超」氷河期に苦しむ中国の若者 中国の若者が、前代未聞の就職超氷河期に直面している。 中国国家統計局が発表した2023年6月の16〜24歳の若年失業率は21.3%と、いまだかつてない数値を叩き出した。 過酷な受験戦争を勝ち抜いたのに、仕事が見つからず、結局生活するのにぎりぎりの給料しかもらえない「底辺」、すなわちブルーカラーの仕事しか見つからなかったという人も続出した。「卒業即失業」といったブラックジョークもSNSで飛び交うようになった。中国の学生たちは、自らの努力と犠牲に見合った見返りを得られないことに、深く落胆しているのだ。 今年9月14日、上海のベンチでうなだれるように眠る男性 ©時事通信社 中国政府は社会的なパニックを恐れてか、その後、若年失業率の公表を一時停止すると発表したが、これは社会的な安定と統制を何よりも重視する中国らしいやり方である。ただ、中国のネット上でもその隠蔽と
週プレNEWS TOPニュースライフ・文化編集未経験の"素人"がやけくそで立ち上げた謎多きふたり出版社・点滅社を直撃取材!「社名は筋肉少女帯の楽曲からつけました」 ふたり出版社・点滅社の屋良朝哉代表と小室ユウヤさん 日本一パンクで破滅的な(!?)ふたり出版社・点滅社をご存知だろうか。 代表の屋良朝哉(トップ写真・左)が友人の小室ユウヤ(トップ写真・右)を誘い、知識・経験ゼロの素人ながらも見切り発車で設立。昨年11月に発売されたロックバンドの詩集を皮切りに、今年5月には主にSNSで活動する歌人の第一歌集を刊行すると、大橋裕之や杉作J太郎らに加えてアマチュア作家が多数参加する漫画選集を続けて発売。出版社を続ける中での苦楽や情熱を素直に綴ったSNSへの共感も相まって、本を刊行するたびに話題となっている。 「もうだめだ」。そう呟きながらも、先月、無事に1周年を迎えた。彼らはいったい何者で、これから
「浄土三部経」の一つ『大無量寿経』にあります。 富有なれど慳惜(けんじゃく)し、肯(あく)えて施与(せよ)せず。宝を愛して貪ること重く、心労し身苦しむ。是の如くして竟りに至れば、恃怙(じこ)とする所無し。独り来たり独り去りて、一も随う者無し。 慳惜とは、ものおしみする心。恃怙とは、頼む事です。 大金持ちだけれどもの惜しみが強く、あえて他の人に施与せず、財宝を愛して貪る心が強いと、かえって自分自身で心労が重なり苦しむものです。このようにして一生を過ごせば、死に臨んでも頼りにするものは何一つありません。独り来たり独り去りて、一も随う者無し。 所詮、私達は独りで生まれ、独りで老い、独りで病み、独りで死んでいかねばなりません。名誉も、財宝も、妻子眷族(けんぞく)も一緒に行く事が出来ないのです。 「菩提和讃」を思い出します。 老若貴賤も諸共に 無常の風に誘わるる 臨命(りんみょう)終(じゅう)の果敢
種田山頭火の人物像と作風 (種田山頭火 出典:Wikipedia) 種田山頭火(たねださんとうか)は、明治15年(1882年)に山口県防府市で生まれた自由律俳句の代表的俳人です。本名は種田正一といいます。 山頭火は15歳の頃から俳句を始め、高校を主席で卒業し早稲田大学へ進学するなど、学業の方は優秀だったと言われています。 34歳の頃に俳諧雑誌『層雲』にて頭角を現し、俳句選者の一人となっています。しかし、生家の倒産や関東大震災に被災するなど、苦労も多く、大正15年に放浪の旅に出ます。 旅と句と酒に生きた山頭火が、全国のあちこちで作った作品の多くは五七五にこだわらない自由なリズムの俳句で、今も人々を魅了し続けています。 おこるな しゃべるな むさぼるな ゆっくりあるけ しっかりあるけ 種田山頭火(俳人) pic.twitter.com/qrRWQR1RgZ — 心に残る名言・格言(日本人編)
日本を舞台とするルーマニアの小説(左)と、代表的なルーマニア文学『ノスタルジア』(右)を手に持つ済東さん 千葉の実家に7年間ひきこもりながら、ルーマニアでは新進気鋭の小説家として注目されている男がいる。済東鉄腸(さいとう・てっちょう)さん、30歳。現地では「ルーマニア語で書く日本人作家」として注目されていて、現地メディアで何度も取り上げられる存在となっている。 しかし済東さんは長年鬱をわずらい、数年前からは遠出も制限される難病「クローン病」になってしまった。千葉はもとより、自分の家からもほとんど出ない生活をしている。まるで「なろう系ノベル」のように、絶望的な日本での生活から“異世界”ルーマニアで作家として転生したかのようだ。いったいどのようにして、彼はルーマニア語の小説家となったのだろうか。 済東さんは子どもの頃から、緘黙(かんもく)に近いほどの人見知り。大学に入学すると、サークルでの失恋
2001年の米中枢同時テロを機に、インターネット上で広まった詩がある。「あなたが眠りにつくのを見るのが 最後だとわかっていたら わたしは もっとちゃんとカバーをかけて 神様にその魂を守ってくださるように 祈っただろう」 こんな言葉で始まる詩「最後だとわかっていたなら」。何度読んでも心を打たれる。原作は1989年に発表されたもの。米国の女性詩人故ノーマ・コーネット・マレックさんが10歳で亡くした息子を思い、つづった。 愛する人を失った悲しみと後悔、だから「今日あなたの大切な人たちをしっかりと抱きしめよう」というメッセージは切なくも優しく、多くの共感を呼ぶ。 和訳を手掛けた佐川睦さんは、友人からのメールでこの詩と出合った。若くして亡くなった姉への思いと重なり「訳しながら癒やされ、前向きになれた」と、以前取材に答えていた。2007年に出版された和訳本は異例のロングセラーだとか。 東日本大震災から
なぜ、本を読むのか? Why do we need to read books なぜ、本を読むのか?本書『読書人カレッジ2022』の執筆者の一人である明石健五は、それを「考えるため」であると言います。 ある未知のものに出会ったとき、そこに驚きと感動が生まれる。そうして、初めて自分なりに思考することができ、それを人に伝えることができるようにもなる。 そういう過程を生きられる人のことを、「知性ある人」というのではないか。では、「知性」を自らのものにするためにはどうすればいいのか。繰り返しになりますが、「読み」「考え」「書く」ことを通してしか感得できないのではないか。 新しい出来事や局面に出会い、答えのない問題を考えることで鍛えられていくものが、確かにある。そういう問題は、すぐれた本の中にいくつも見つけることができます。 繰り返し考えることによって、自分の思考を鍛えていく。それによって、今の世の
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