11月6日に迫った米中間選挙で最も注目される戦いの一つが、テキサス州の上院議員選だ。現職の共和党候補テッド・クルーズの圧勝と思われていた同州で、「オバマの再来」とも呼ばれる民主党のベト・オルークが猛追をみせている。 過去20年以上にわたり、共和党の牙城であるテキサスで民主党候補が勝ったことはない。それだけ保守が優勢を誇る地盤で、オルークは歴史を変えることができるのか──。地元紙の元コラムニストが、真っ赤に染まったテキサスの現実を、「ワシントン・ポスト」に綴った。 「負け組」リベラルの諦めモード 2013年6月25日、私はテキサス州議会議事堂に駆けつけ、フィリバスター(議事進行妨害)の応援をしていた。ウェンディー・デービス州上院議員が11時間も演説を続けて中絶制限法案を葬った歴史的な1日だった。 私は傍聴席に詰めかけた何百人ものリベラル派の仲間たちと熱狂した。真夜中を過ぎて、フィリバスターが