地球温暖化対策として鳩山由紀夫首相が二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を「2020(平成32)年までに1990年比で25%削減する」と国連で表明した国際公約をめぐり、官民に困惑が広がっている。政府部内で議論がないままに鳩山首相が対外的に公約したことで「どのような道筋で達成を目指すのか」(経済産業省幹部)といぶかる声が上がっている。産業界もシンポジウムなどを開いて民主党の意向を何とか引き出したい考えだが、平成22年度予算案の編成もからんで官民とも手探り状態が続いている。 「25%削減のうち、“真水”がどれだけなのか分からなければ、今後の具体策なんて考えようがない」 経産省のある幹部はため息を漏らす。真水とは国内の努力で削減する排出量を指す。麻生太郎内閣が今年6月に示した「05年比15%(90年比8%)削減」は真水分だけだったが、鳩山首相が提唱した90年比25%削減には、海外からの排
司法取引の導入やおとり捜査の拡大、指揮権発動−。鳩山政権の新閣僚から17日、次々に「新機軸」が打ち出され、関係者の間に動揺が広がっている。一方、前原誠司国土交通相は「費用がかかっても」と改めて群馬県の八ツ場(やんば)ダム中止を明言。地元からは「今さら」と落胆と怒りの声が渦巻いた。 ■「可視化」反対崩さず 中井洽国家公安委員長は17日の記者会見で、犯罪の容疑者が捜査機関に情報提供する代わりに、訴追時点で有利な扱いを受ける「司法取引」の導入や、おとり捜査の適用範囲の大幅な拡大などの制度改正に前向きな考えを示した。 中井委員長は導入のねらいを、「取り調べ当局に犯罪摘発率を上げ、スピード化できる武器を持たせてあげたい」とする一方、「一方的な全面的可視化だけでは…」と話し、導入が民主党の推進する「取り調べの全面可視化」を補填(ほてん)する措置であることを明らかにした。 検察と警察が「容疑者が萎縮(い
民主党が新設を目指す通信・放送担当の独立行政機関「通信・放送委員会(日本版FCC)」構想が動き出した。内藤正光総務副大臣は24日、初登庁後の会見で、平成23年の通常国会に設置法案を提出する考えを改めて表明した。ただ、運用次第では放送内容への過度の規制につながりかねないだけに、今後、議論を呼びそうだ。 FCCは、米連邦通信委員会の略で、放送局の認可や番組規制などの監督権限を持つ独立行政機関。大統領が上院の同意を得て任命する5人の委員を中心に構成される。 これに対し日本では、総務省が放送局に対する電波の免許付与や違法行為があった場合の放送施設の運営停止などの権限を持つほか、民放とNHKでつくる放送倫理・番組向上機構(BPO)が視聴者の苦情などを受け番組内容の調査や勧告を実施している。
民主党は記者クラブ加盟社以外でも記者会見に参加できる「記者会見のオープン化」を進めている。民主党が政権をとった今、テレビをはじめとするメディアはどのように変わるのだろうか。連載の最終回は、民主党のメディア政策について、ビデオジャーナリストの神保哲生さんに聞いた。 ――神保さんは2009年7月27日のマニフェスト発表会見で、「記者会見を開放する」方針がマニフェストに入っていない理由を鳩山由紀夫代表に質問しました。鳩山氏は「マニフェストに入れるまでもない」とした上で、政権獲得後も記者会見をオープンにする方針を改めて強調しました。このことで、テレビを始めとするメディアは、どう変わるのでしょうか。 神保 テレビ・新聞は、これまで、1次情報に関しては記者クラブという参入障壁に守られて、寡占状態になっていました。そのため、彼らは会見に出て発表モノを報じるだけで、仕事のある程度の部分は成り立ってしまって
社会 宮古「慰安婦」 4年かけ報告書完成2009年9月7日 洪さん(左から2人目)と証言者の佐和田さん(左端)、佐久田さん(同3人目)、伊良部さん=6日、宮古島市上野野原 【宮古島】日韓の研究者や宮古島市民らが昨年9月、同市上野野原(のばる)に建立した「日本軍『慰安婦』祈念碑」1周年記念の集いが6日、同祈念碑前で行われた。日韓共同調査団は、同市内各地で慰安婦の目撃証言や慰安所跡の分布図などをまとめた報告書の完成も紹介した。報告書は地元住民らの証言、慰安所の分布を記録し、日韓の各視点を交え1冊にまとめた貴重な資料として期待される。 報告書の題名は「戦場の宮古島と『慰安所』」(なんよう文庫)で2006年から08年にかけての聞き取りでまとめた。9月中旬から県内各書店で発売される。宮古島や伊良部島の各地にあった慰安所に関し、住民ら25人の証言や解説文などを掲載している。 編集を担当した早稲田
【ワシントン=山本秀也】オバマ米大統領が全米の児童・生徒に向けて行う演説が、波紋を広げている。 オバマ大統領は新学年が本格的に始まる8日、ワシントン近郊の高校で演説する。ホワイトハウスによれば、「まじめに勉強を」といった穏当な内容だが、全米の小学生から高校生までが演説を聴くよう求められている。 さらに、教育省の通達は、「大統領演説のキーワードは」「大統領は何を君に求めたのか」など具体的な設問を挙げて、演説内容を話し合わせる指導を各学校長に要求した。 米国では教育に関する裁量が、地方自治体や学校、家庭に大きく委ねられており、連邦政府がここまで教育に介入するのは異例。「納税者の金を使って大統領の社会主義的な理念を広げる試みだ」(グリア共和党フロリダ州支部長)といった批判が噴出した。 ギブズ大統領報道官は、「退学率の高さが米国経済を長期的に脅かすという認識は、超党派の合意のはずだ」として、理解を
東レ経営研究所が4日、民主党政権の「子ども手当」の家計への影響について試算し、最も得をするのは「共働きで年収300万円、中学生2人と小学6年以下の1人の子供がいる世帯」で、年79・2万円のプラスになった。逆に、「妻が専業主婦で年収1500万円、高校生(または大学生)3人の子がいる世帯」は最も負担が増え、年41・5万円のマイナスで、約120万円もの差が出た。 民主党がマニュフェスト(政権公約)に掲げた「子ども手当」は、中学生以下の子に年間31万2000円を支給する。ただ、児童手当や扶養控除が廃止されるため、世帯によって「損得」が顕著になる。 研究所は妻の就労や世帯年収、子供の数・年齢などを組み合わせ、520ケースを試算した。専業主婦世帯は、子供が高校生以上の場合、扶養控除がなくなる分が年収に関係なく負担増になる。3歳未満の子がいる世帯では、年収900万円が年収800万円よりも得になる逆転もあ
鳩山由紀夫・民主党代表(右)を表敬訪問した崔天凱・駐日中国大使=4日、午後1時27分東京・千代田区の民主党本部で大西史朗撮影 民主党の鳩山由紀夫代表は4日、党本部で崔天凱駐日中国大使、権哲賢駐日韓国大使と相次いで会談した。両大使はいわゆる「A級戦犯」合祀(ごうし)を理由に靖国神社を参拝しないと公言する鳩山氏の歴史認識を高く評価しており、権大使は「鳩山氏の正しくバランスのとれた歴史認識を国民はよく知っている」と絶賛。鳩山氏は「日韓は一番近い2国間関係だ。歴史問題をしっかりと見つめる政権をつくり、より良い関係を築きたい」と応じた。 また、鳩山氏と両大使は、9月下旬に米ピッツバーグで開かれる金融サミットなどの機会で日中、日韓の首脳会談を行う方向で調整することで合意した。 会談で崔大使は、小泉純一郎元首相を念頭に「一時期の(日中)関係はかなりひどかったが、両国の『戦略的互恵関係』を作り上げていきた
民主党マニフェストの目玉政策「高速道路料金の原則無料化」。首都高速道路と阪神高速道路以外はすべて無料化と思っている人が多いようだが、実は違う。これから渋滞などのシミュレーションを行い、有料となる高速道路名、区間が決まるのだという。 「原則無料化」と書いたのは選挙対策? 高速道路無料化案の担当者である馬淵澄夫議員は2009年9月2日、テレビ朝日系「報道ステーション」に出演し、高速道路料金無料化によってもたらされるメリットについて語った。キャスターの古舘伊知郎さんは高速道路無料化のメリットは確かにあるが、運輸関連の企業だけでなく一般生活者からも無料化に反対する意見が多く出ていると指摘したうえで、「土日祝日1000円」でも大渋滞が起きているため、無料化になれば、高速道路が機能しなくなる心配はないのか、と聞いた。 これに対し馬淵議員は、どの程度料金を取ると通行量がどうなるかをシミュレーションし、渋
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