印刷 杁(いり)と併せて使われる樋(とい)の「タツ」。ため池に立てて使う=愛知県半田市の市立博物館杁の仕組み 杁中(いりなか)、杁ケ池(いりがいけ)公園、二ツ杁(ふたついり)……。「杁」という漢字は愛知県内ではおなじみだが、何を指しているのか知らない人も多いはず。愛知の農業に欠かせなかった「杁」の実物を見て、知多半島の治水の歴史や文化を学ぶ「博物館めぐり」が17日、同県半田市周辺で開かれる。 杁のつく地名の周辺を歩いてみると、必ず行き当たるのが川や池だ。名古屋市昭和区杁中の近くには隼人(はやと)池公園、杁ケ池公園(同県長久手町)もその名の通り池がある。名鉄二ツ杁駅(同県清須市)の近くには市の水防センター、といった具合だ。 だが、池や用水に関係するなら、日本全国に杁のつく地名があってもいいはずだ。しかし、「新版日本分県地図地名総覧」(人文社)を検索したところ、「杁」は愛知県内と、愛知、