産業技術総合研究所(産総研)の脳神経情報研究部門ニューロテクノロジー研究グループは3月29日、脳波を読み取って意志伝達を行うための「ニューロコミュニケーター」を開発したと発表した。運動障害者の自立支援や教育分野などでの利用を目指し、2~3年後に10万円以下の一般的な製品として実用化を目指す。 開発したブレイン-マシンインタフェース(BMI)は、頭部に装着して脳波を読み取る「モバイル脳波計」と、脳内意志を解読するための高速・高精度アルゴリズム、効率的に意思表示を行えるメッセージ生成システム──で構成する。 モバイル脳波計は、携帯電話の半分以下という小型設計。実用化を目指す装置としては世界最小レベルで、将来の量産化を見込んで設計しているという。コイン形電池で長時間駆動するため外出先でも使用可能だ。 従来の意思伝達技術は高価で大がかりな装置が必要だったが、新システムは3つのコア技術を組み合わせる