実践 行動経済学 作者: リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン,遠藤真美出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2009/07/09メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 365回この商品を含むブログ (97件) を見る 邦訳のタイトルはミスリーディングだと思う。確かに前半は行動経済学の説明であるが、むしろそれはツールとしての必要からなされていて、主眼は著者の政治的立場である「リバタリアン・パターナリズム」の内容とその実践に関する説明の方にある。そしてそこにこそ、小さな政府と大きな政府という古典的な対立では捉えられない、現代社会の変化をとらえた本書の重要な問題提起があると思う。 例えば、金融危機の後、もっとも必要なのは適切な金融市場の規制であり、ケインズ的な、すなわち裁量的な財政金融政策を安易に復活させるのは誤りだ、という主張が「小さい政府」の支持者から唱えられた。しかし、僕は