19世紀半ばに刊行された英語の類語検索辞典『ロジェのシソーラス』は、英文を書くためのツールとして広く長く愛用され、今日に至っています。同じ発想に基づく「日本語シソーラス」は、日本でも各界から要望されていました。しかし編纂の困難さから今まで作られたことはありませんでした。今回じつに二十数年の歳月をかけ、初めて『日本語大シソーラス』が誕生したのです。 本書は「先に分類ありき」ではなく、できるだけ多くの言葉・表現を収集しながら、それを連想に基づいて群にまとめ、分類を練り上げる作業を繰り返して作られました。そのため日本語使用の実態や、言葉の世界に定着された日本人の感性がよく反映されており、「日本人の文化・感性の総索引」と呼ぶべき内容になっています。 日本語の語彙が豊かであること、対象を正確に捉える言葉を持っていることは、日本語で何かを表現する際の重要なポイントです。本書は言葉探しのナビゲーターとし