親としてもっとも無力に感じるのは、我が子がいかんともしがたい恐怖に襲われているのに、助けになる言葉をかけてやれない瞬間です。子どもが暗闇を怖がるのは自然のことですが、そのような恐怖を克服させるには、いったいどうしたらいいのでしょうか。 暗闇やベッドの下のモンスターなどの一般的なものから、アリが怖い、日常の音が怖い、想像上の小人が怖いなど、子どもはさまざまなものに恐怖を感じます。 私の娘にとっての恐怖は、水でした。水たまりの水が跳ねただけで、ナイフで切りつけられたかのような叫び声を出すのです。犬を見れば、なめられるのが怖くて一目散に逃げ出しました。彼女の体を洗う方法はただひとつ。テレビで気を散らせながら、バケツにためた水とスポンジを使うしか方法はありませんでした。1歳の子どもの顔にパンチを食らわせたこともありました。その子が指をなめていて、濡れた手で触られるのが怖かったと言うのです。 この恐