逮捕から17年半ぶりに、菅家利和さん(62)の再審開始が決定した「足利事件」。当時の読売新聞は、事件をどう報じたのか、今につながる教訓は何か。 取材に携わった10人以上の記者から聞き取り、一連の紙面を検証した。 ◆指紋なみ捜査革命◆ 「幼女殺害 容疑者浮かぶ」。読売新聞は1991年12月1日朝刊1面で、足利事件の容疑者の取り調べが間近に迫ったことを伝えた。 菅家さんが逮捕されたのは、翌2日午前1時すぎ。同日朝刊1面は「元保育園運転手を逮捕」との見出しで、菅家さんがDNA鑑定の結果を突きつけられて自供したことなどを報じた。 DNA鑑定については、1日朝刊の1面記事で「ほぼ同一人物の遺伝子」と説明、2日朝刊の社会面では「捜査革命と言われるほど画期的な技術」と解説した。 この中で、「科学的な証明度がどれくらいあるかが問題」とする土本武司・筑波大名誉教授(当時は教授)の談話を紹介。国内のDNA鑑定