昨今、ドラマ『団地のふたり』(NHK)をはじめ、中高年の女性を描いたドラマや映画が人気であり、またXなどでは定期的に、中高年の「おばさん」が主人公の作品を待望する声が散見される。しかし、なぜ今「おばさん」の物語が女性を中心に人を惹きつけているのだろうか。 『団地のふたり』が中国の人々に人気の理由 『団地のふたり』は、中国でも人気を集めつつあるという(※)。中国はもともと競争が激しく、日本に来る留学生は「ゆるさ」を求めてやってくるのだということを、NHKの『クローズアップ現代』「なぜ急増?“ガチ中華”新時代の日中関係に迫る」(2022年10月19日放送)で特集しているときに知った。中国では、競争社会に抵抗する人々のことを指す「寝そべり族」といった言葉が流行したこともある。『団地のふたり』には、「ゆるさ」が「癒し」になる性質が確かにあるだろう。 大学の非常勤講師をしているノエチ(小泉今日子)と