一般家庭の子どもたちとの格差をなくそうと取り組む児童養護施設、至誠学園(東京都立川市)。 撮影:ヒオカ 生い立ちの環境によって、圧倒的ハンデを持つ子どもたちがいる。 その属性はいくつかあるが、貧困家庭、ヤングケアラー(大人が担うことが想定されている家事や家族の世話を日常的に行う子どもたち)、そして今回取りあげる児童養護施設の子どもたちも、象徴的な例だろう。 「普通」を手に入れるための途方もない道のり 筆者の父親は精神的な疾患を抱え、定職に付くことができなかった。父は障がい者雇用やアルバイトを転々とし、時折無職となった。筆者はそうした貧困家庭で育った。その後なんとか公立の大学に進学したが、その過程で、一般家庭の子どもたちとの違いを色濃く感じる場面が幾度となくあった。 その体験を克明に書き記したnoteを公開したところ、数百件のメッセージが届き、「日本にこんな貧困があると知らなかった」「貧困は