投資はお金を増やすことが目的だと考えているならば、社会をよくする投資と聞くと、きっと儲からないのだろうと思うかもしれない。しかし、鎌田(2024)は、社会をよくすることとお金を増やすことは両立すると主張する。会社の存在意義が社会をよくすることだとするならば、投資の目的は社会をよくすることだと言える。本来、投資を含めた金融とは、社会や経済を豊かにするための水脈のような存在だと鎌田はいう。鎌田が定義する「社会をよくする投資」とは、社会そのものに新たな価値が生まれるお金の流れである。経済成長を主目的とした社会ではなく、人の困りごとや経済成長を追い求めることで生じた社会の歪みを解決することで新たな経済領域を生む。社会課題を解決する結果として、社会全体の経済価値が高まるというわけである。 鎌田が主張するように、投資には、自分のお金を増やしながら社会をよくする力がある。しかし、人々の投資によって実際に