『選挙』『精神』などの「観察映画シリーズ」で知られる映画作家、 想田和弘さんによるコラム連載です。 ニューヨーク在住の想田さんが日々「観察」する、 社会のこと、日本のこと、そして映画や芸術のこと…。 月1回の連載でお届けします。 第41回 参院選。反安倍政治の受け皿はできた。あとは投票するだけだ。「デモクラシーの緩慢な自殺」を食い止めるために。 英国では国民投票が開かれ、EU離脱が決まった。フランスやオーストリアでは極右政党が躍進し、米国ではドナルド・トランプ氏が台頭しつつある。 どの動きも、大半の日本人の目には、自分の首を自分で絞める自殺行為のようにみえるのではないだろうか。こうした物事の本質は、その渦中にいるよりも、遠くからの方が見えやすいからである。 米国で暮らす僕の目からは、第二次安倍政権成立以来の日本で起きていることも、まさにそれらを先取りする流れのようにみえる。「熱狂なきファシ