日銀が導入の検討に入った物価目標は、自民党の安倍晋三総裁の持論で、政権公約にも盛り込まれている。しかし、金融の専門家からはその弊害を指摘する声も多い。 【日銀の対応は】物価目標導入する方向で検討 安倍氏の要請踏まえ 自民党は2%の物価上昇と日銀の一段の金融緩和によって、円相場を1ドル=90円程度まで押し下げ、企業の業績回復や株価上昇をテコに景気を上向かせるシナリオを描く。政権発足後には大型経済対策を実施し、公共事業を増やすことを通じてデフレ脱却を目指す考えだ。 これまでも、一部の経済学者の間で「日銀に明確な物価目標を求めるべきだ」との声はあった。日銀が物価上昇を約束すれば、企業や家計が「将来、物価が上がるなら、お金を早く使った方がいい」と考えるようになり、設備投資や住宅購入を前倒しして経済活動が活発化し、企業業績の改善で賃金が上がる−−という好循環が生まれるとみるためだ。 ただ、物