突然の別れからまもなく5年が経過する。国民的スターだった志村けんさん(享年70)の命日を前に、空き家状態が続いた自宅に大きな変化があった。長兄が初めて語った「遺品整理」の複雑な胸中──。【前後編の前編】 亡くなってから空き家だった志村さんの家が解体に 東京都三鷹市の閑静な住宅街の一角に、赤いれんが塀に囲まれたピンクベージュの外壁が目を引く一戸建てがある。表札が取り外され、郵便受けの投函口が粘着テープでふさがれたその建物からは、時折、大きな物音が聞こえてくる。驚いて足を止めた通行人の視線の先では、内壁や備え付けの家具を取り壊す解体工事が行われていた。 この家は、2020年3月29日に新型コロナウイルスによる肺炎で急逝した、志村けんさんの自宅だ。 「志村さんが亡くなってからずっと空き家でしたが、3月から解体が始まったようです。取り壊すことにしたのかな。30年以上前からある見慣れたお家ですから、